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永遠の0

個人的な感想です。
「永遠の0」を戦争賛美だ!特攻の美化だ!と感じられる方には
不愉快な思いをされると思うので、読まないでください。

百田さんの書かれる小説が大好きな読者の感想です。


この小説や映画を「戦争賛美」と言っている人がいると知って
人は同じ作品を読んだり見たりしても、感じ方は千差万別なんだと
改めて実感しました。

というのも、実は一番身近にいるうちの旦那がこの原作を読んで
なんで泣けるのかがわからないと言ったからです。
(でも戦争賛美とは言ってなかったけど・・・ちなみに「海賊と呼ばれた男」も
うちの旦那の心には響かなかったらしい・・・)

旦那の原作の感想は特攻機の描写や戦闘シーンの迫力は
面白かったけれど、あれだけ生きることに拘った主人公が
最後になんで特攻に出たのかわからないと言うのです。

私はこの人と25年結婚生活を続けてきて、私の感覚でものを言っても
分かり合えないことは経験からわかっているので、いちいち説明するのは
やめて、感じ方はそれぞれだからいいんじゃないと言ってあります(^_^;)

だからこの小説、映画を見て「戦争賛美」ととらえる人がいたという事は
うちの旦那みたいに、私とは感じ方の違う人が
世の中にはいっぱいいるんだなぁというのが印象に残りました。


私がこの作品で心を動かされたのは、主人公が「必ず生きて家族のもとに帰る」と
いう意志を形を変えて実行したところに感動したのです。

この意志は戦争賛美でもなければ、特攻を美化したものでもありません。
何故なら、彼は最初から最後まで「生きたい、家族に会いたい」と思っていたから。

だけど、教官として若者たちに飛行技術を教えていることがイコール死になることを
わかっていて、戦争が終わった後の日本にとって大事な命をむざむざ死にゆくための
指導をしていることに心を病んでいきます。

彼がなんで特攻を選んだのか・・・・作者でもないから本当の所はわからないけど
私なりの解釈ではもう戦争は長く持たないとわかった段階で、特攻という成功率の低い
作戦で若い命を散らせるより、未来に有望な青年のかわりに自分が行くべきと
悟ったのだと思います。

そこが小説の都合のいいところだと思うけど、そう思った矢先に
飛行機のトラブルがわかり、家族を任せられると感じたある青年に未来を託します。
彼には自分のコートをあげていた。
それが大きな伏線になっていたことにようやく気が付きました。

小説だと行間を読まないとわからないけれど、映画ではハッキリと
どんな姿になっても帰ってくると妻に言っていました。

確かに現実を知らない私たち戦後の世代には綺麗事として感じる部分も
多いとは思いますが、この小説を読んで泣いた人の中にどれだけの人が
「戦争って素晴らしい」とか、「特攻ってカッコいい」って感じる人が
いたのかどうか…・私は疑問です。

なんで泣けるかと言えば、やはり死にたくなかった、生きたかったと切実に
望んで、仕方なく戦争に行った人々の心情がわかるから。
国状が世論が戦争に向けてて一般の普通の人たちが翻弄されていたと
思うし、そういう中で意志を通して家族を守った彼の姿に感動するんだと思う。

戦争を知らないからこそ、こんな思いで生きてきた人たちが当時の日本には
たくさんいて、小説の中には敵対する相手国にもそんな家族や人がいることを
ちゃんと描かれていた。

争いで幸せにはなれないと壮絶なまでに教えてくれた作品だと思う。


これを「戦争賛美」と思っている人が読んでも心は動かないと思う。
人にはそれぞれ違う感覚があっていいと思うけど、この作品を読んで
泣けない人たちが増えたりするのは悲しいと感じます。





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